2005年03月10日

六十二のソネット

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六十二のソネット
谷川 俊太郎

講談社 2001-03
¥924 (税込)


心の凹凸、生きることの機微……谷川俊太郎の詩の宇宙! 『二十億光年の孤独』につづく、2冊目の詩集がここによみがえる! 自ら「身近なもの」という、「憧れ」「沈黙」「始まり」「心について」「夢」など、62編が息づく!
『六十二のソネット』は私の青春の書であると書いたことがあるが、いま読み返してみても、一見実生活とかけ離れているかのように見える作も、私という作者自身の経験から生まれていることが分かる。だがその経験からもたらされた感情は個々の喜怒哀楽と言うより、生そのものに対する名指すことの難しい根本的な感情で、若いころもいまも私はそれから逃れることが出来ない。むしろそこにこそ私を詩に向かわせる何かがあるのかもしれない。――谷川俊太郎
     ――――――――――――――――――――

   41

   空の青さをみつめていると
   私に帰るところがあるような気がする
   だが雲を通ってきた明るさは
   もはや空へは帰ってゆかない

   陽は絶えず豪華に捨てている
   夜になっても私達は拾うのに忙しい
   人はすべていやしい生まれなので
   樹のように豊かに休むことがない

   窓がありふれたものを切りとっている
   私は宇宙以外の部屋を欲しない
   そのため私は人と不和になる

   在ることは空間や時間を傷つけることだ
   そして痛みがむしろ私を責める
   私が去ると私の健康が戻ってくるだろう


4062565013
文庫/雑学文庫/講談社+α文庫
posted by sizuku at 17:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 文庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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